森友学園捜索押収の不公正

街の弁護士日記 SINCE1992at名古屋から転載

2017年6月21日 (水)
森友学園捜索押収の不公正

来年は、明治元年から150年に当たる。
官邸は『「明治150年」関連施策各府省庁連絡会議』を立ち上げて、明治150年に向けた機運を盛り上げようとしている。
薩長によるクーデターを正当化し、「明るい明治」を翼賛する基調に貫かれるであろう記念事業は、ろくなものにならないに違いないから、今から気分が悪い。


森友学園瑞穂の國記念小學院が、国・府を挙げて今年4月の開校スケジュールで進行したのも、教育勅語を斉唱する小学生の姿が、明治150年に相応しいと考えられたからだろう。
瑞穂の國記念小學院は、明治150年記念事業を代表する目玉となった可能性がある。
道徳の教科化と時代錯誤の教科書検定と相まって、瑞穂の國記念小學院が教育の戦前化を一気に推し進める起爆剤になった可能性も否定できない。

森友学園問題の持つ重みは、加計学園に勝るとも劣らないだろう。
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森友学園に捜索押収が入った。
菅野完氏のツイートによれば、幼稚園・保育園・籠池前理事長自宅・籠池長男自宅と籠池妻の実家の5カ所に及ぶ徹底的なもので、保育士を午前4時まで任意で捜索に立ち会わせた上で、全員の携帯電話まで押収していくという徹底したものだったと伝えられている。

この捜索には、幼稚園の職員数等を水増しして、大阪府から補助金を受け取った詐欺容疑だけでなく、工事費を23億円に水増しした契約書を国に提出して木質化補助金5600万円あまりを受けた補助金適正化法違反の容疑も含まれている。


3種類の異なる契約金額が記載された工事契約書が作成されたことについて、当時の報道は次のようなもので、もっぱら森友学園側に問題があるかのような報道がなされていた。

3種の契約書「森友側の求めで作成」 施工業者

日本経済新聞 2017/3/10 11:53 (2017/3/10 13:28更新)


 学校法人「森友学園」(大阪市)が4月開校を目指す小学校を巡り、校舎建築の施工業者が10日、「学園側の求めに応じて3種類の工事請負契約書を作成した。結果的に嘘をつかれた」と証言した。大阪府は施工業者から聞き取り調査を実施、一部の契約書が虚偽だったとの見方を強めており、同小の設置を不認可とする方針だ。

 府は10日午前、同府吹田市の施工業者の本社を訪れ、聞き取り調査を実施。校舎建築費に関し、金額が異なる3種類の契約書が作成された経緯などを確認した。

 調査を終えた府担当者によると、施工業者は校舎建築費について「15億5千万円が正しい」と説明。施工業者の社長は取材に応じ、「学園側の求めで3種類の契約書を作った」と説明した。
 

社長によると、2015年12月3日付で15億5千万円の契約書を作成。1カ月後に学園側から「私学助成の対象となる部分だけで金額を出してほしい」と依頼され、7億5600万円の契約書を作った。さらに16年8月に設計業者から「見積もりから漏れている項目がある」との指摘を受け、23億8400万円と記載した契約書も作成したという。

 府私学課によると、私学助成は児童・生徒数や各年度の財務状況などに応じて決まり、「個別の契約書の提出を求めることは一般的にない」としている。社長は「結果的に嘘をつかれた」と話した。

 学園側は小学校の校舎建築費について、府私立学校審議会向けに7億5600万円、関西エアポートへの助成金申請で15億5千万円、国土交通省に対する補助金申請で23億8400万円とするいずれも15年12月3日付の契約書をそれぞれ提出している。

 府は施工業者の説明に加え、9日の現地調査で学園の籠池泰典理事長が示した前払い金の領収書の金額などから、「15億5千万円」が正しい金額との見方を強めている。

この点は、菅野完氏のツイートで、過大な見積もり金額の契約書は設計事務所側から提案された補助金目当てのものであることは、関係者の共通認識であったことが明らかにされている。藤原工業がだまされるも何もない。共犯なのである。

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この議事録は、
『打合わせ記録 (記録:藤原工業株式会社 面家)』と題するもので、
日時は、平成28年1月29日(金) 10:00~12:00
出席者は、
  学校法人森友学園 籠池総裁、籠池副園長、藤井様、野坂様、緒方様
  (有)キアラ建築研究機関 杉本様、平田様、八木様
  藤原興業(株) 木村、面家、?月
  奥田木材、松阪木材 奥田社長、中野課長
とされている。

ここで、『4 設計・施工者からの連絡・報告・確認事項』として「①補助金について」の確認がなされている。

キアラ設計建築研究機関の杉本、八木から

「・現状の補助金申請の説明(別紙説明書添付)する。補助金申請のために別見積もり及び契約書が必要になる。木質化申請は22億の見積り及び契約書。騒音に関する申請は1.48億円の見積りが必要」

との説明がなされ、
籠池副園長から

「コンプライアンス上問題は無いか?」

との質問がなされ、キアラ建築研究機関の八木が

「問題が無いように動いてます。」

と回答したことが記録されている。

この記録は、13名が参加した会議の議事録として藤原工業によって作られたもので、取材に対する同社の社長の回答より、はるかに信憑性が高いのは明らかだろう。

木質化補助金に関する不正は、森友学園だけを悪者にしてすむ問題ではない。
議事録を含む関係書類が存在するキアラ設計建築研究機関と藤原工業に捜索押収が必要だった筈で、森友学園関係者のみを狙い撃ちにした捜査は、甚だしく公正にかけることは明らかだろう。



コンプライアンス上問題が無いように動いている
という真相の解明こそが、本件の本質に結びつくはずだが、はなから見せしめ捜査に出ている大阪地検には、とうてい何も期待できそうにない。

捜査権力というものがいかに不公正かを、改めて、何度も重ねて確認する材料としかならないのであれば、残念というほかない。
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