NHK放送拒否の内容

孫崎享のつぶやき

NHK放送拒否の内容を見てくれ。全く問題ない。これの拒否は如何に今日のNHKが堕落か示す


30日webronzaはNHK放送拒否された中北教授の原稿を示した。原子力発電所のありようを論ずる論として全く問題ない。この論が特定候補に不利益を与えるとNHKが判断しているなら、そのことがむしろ重大な位だ。
 是非この論を見て欲しい。
そしてこれを止めるNHKが報道機関として如何に堕落しているかを見極めて欲しい。
 中北教授は元外務省員だ。私も存じ上げている。
誰もがNHKに出演したいであろう。約20年続けてきたポストを捨てていいと言う覚悟は真似が出来ない。心より敬意を表する。
 逆に言えばこの論が現在日本国民に知らされていない論だ。是非見て欲しい。
 
 
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NHKの朝のラジオ番組に出演予定だった中北徹・東洋大教授が、30日放送予定だった番組内で脱原発をテーマに取り上げようとしたところ、NHK側にテーマ自体の変更を求められ、放送が中止になった。今後の出演などにはついては現在のところ不明。「都知事選中は原発問題はやめてほしい」と言われたという。 番組は月~金曜の午前5~8時のラジオ第1放送「ラジオあさいちばん」。中北教授は「ビジネス展望」というコーナーに20年来出演しており、30日朝も「原発の再稼働のコストと事故リスク」をテーマに出演する予定だった。だが、前日に原稿案を見せたところ、ディレクターに「テーマを変えてくれ」と言われたという。 いったいそれはどのような内容っだったのか。WEBRONZAはその原稿案を紹介する。一連の報道を受け、中北教授に依頼し、提供を受けた。以下がその全文だ。
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ビジネス展望>「原発再稼働のコストと事故リスク」(案)
2014.1.30
東洋大学経済学研究科
中北 徹
 Q1.イントロ・・・
 A1.(都知事選で焦点となっているとされ、また、国会の質問でも取り上げられている、原発再稼働の問題について安倍総理も、「議論が行われるのは望ましい。」と述べている。)経済学の観点から、コメントして、いくつか論点に触れて、議論の喚起に供したい。
 最初にポイントを集約する。
 第一は、事前の安全確保の対策、保険料などといった原発稼働のコストが世界的にアップしていること。第二に、万が一の際、巨大事故もたらす損害が膨大化している。最後に、日本の場合、廃炉の費用が発生しているが、それが企業の費用に明示的に計上されていないこと。
 Q2.それぞれ詳しく・・
 A2.まず、稼働コストの上昇が上昇している。2011年の段階で、民主党政権のもと、評価委員会が示した原発の電力コストは、当時、8円/KWH 。それが、最近では、たとえば、「自然エネルギー財団」の資料などを参照すると、11円から17円/KWHということで、2倍前後へ。その他、関連データを参照しても、2~3倍へ。
 これは世界的な趨勢であって、保険料、安全確保の事故対策費などが、東日本大震災をきっかけに、リスクへの認識が高まった結果。すると、他の石炭・石油による発電コストは大差なく、小さくなっている可能性。
 加えて、日本の場合、原発の廃炉の費用が積み上がってくる。廃炉技術が未開発の段階にあり、十分な試算が行われてない。
 一方で、会計の観点から、廃炉は電力会社の命運を左右する大きな作業で、膨大な費用を伴うものだ。原理的には、事前に必要な費用を前倒しで積み上げる必要がある。しかし、電力会社のバランスシートに計上されていない。過小評価されているわけで、将来国民が負担する、見えない大きな費用になる可能性。
 Q3.ということは・・・
 A3.以上の全体像で、即時脱原発路線を支持するのか、それとも、時間をかけながら、緩やかに原発依存を減らしていくのか、という費用の選択の問題になる。それは国民がどう選択するのか、という政治的な課題だ。
 現状では原発稼働がゼロ。しかし、そうしたなかで、アベノミクスが成果をあげている。株価が一昨年末から大きく戻し、今年は、一部上場の大企業は業績相場を達成すると見込まれている。原発(稼働)ゼロでも、経済成長が実現できることを実証したといえる。
もちろん、燃料コストがアップしているのは事実。そのこともあって、日本の経常収支の黒字額が減ってきた。これらの事情を念頭に入れて、脱原発か、それとも、原発稼働を重視して、国民がどう判断するのかが問われている。
 東京都知事選挙をきっかけに、千葉や神奈川などの住民も、どこまで消費者とか、生活基盤の見地に立って、問題意識を高めていけるかが課題だ。
 Q4.では、残るリスクの問題は・・
 A4.最後に強調したいのは、原発事故発生のリスクと、巨大事故が起きた際の損害額との関係。 大震災のあと、確率的安全評価という観点にたって、原発の安全設計の妥当性を確認するための手続きや基準(PSA)を考える動きが生まれている。つまり、原発事故は起きるとして、その時点で原子力プラント、環境に対する影響を定量的に評価し、一定基準以下であれば、その事故に対しては安全性が確保されていると判断する、評価手続き。 しかし、テクニカルにはどうであれ、基本的な問題(ポイント)は、事故の発生確率と、その事故がもたらす損害賠償料との両者の掛け算、積がどれだけ大きいかである。
 確かに、PSAモデルによる確率制御によって、発生件数は、もしも、一桁下げることで、安全性は改善されるかもしれない。しかし、一方、損害賠償額は大きく、巨大事故が起きると10兆円にも達すると見込まれる。近隣の土地買収・除染など費用を考えると、その何倍にも達する可能性。
 事故発生の件数が一桁下っても、損害額が巨額なので、(両者の掛け算の積で決まる)やはり想定損害額が桁外れに大きい。そもそも、事故発生の確率が小さくなって、「数千年、数万年に1回の発生確率だ」といっても、それは今日、明日にも発生する可能性がなくなるわけでない。
 すると、リスクである積の値を確実に減らし、ゼロにできるのは、原発を止めることになるだろう。
 以上、経済学の観点から問題提起を試みた。議論の活性化を望む。
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